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国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会と連携してニシノホシの麦刈り体験・工場見学ツアーを開催【前編】

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国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会と連携してニシノホシの麦刈り体験・工場見学ツアーを開催【前編】

 宇佐平野が黄金色に染まり、おいしい焼酎の原料となる大麦「ニシノホシ」が収穫期を迎えた昨年2018年5月27日。国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会との連携事業として、大分市を中心とする一般のお客様を対象に、麦刈り体験・工場見学ツアーを行いました。気温30度を超す真夏日となったこの日、25人の参加者は圃場で麦刈りに汗を流したあと、三和酒類本社工場でニシノホシが焼酎になるまでのプロセスを見学。収穫した大麦の穂で写真立ての製作にも挑戦していただいた交流イベントの様子を報告します。


■世界農業遺産ツアー事業との連携イベントとして

 国東半島宇佐地域の「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」が世界農業遺産に認定されたのは2013年5月。国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会では2015年11月から年2回、地域の魅力を体験するバスツアーを開催しています。第6回目となる今回は、午前の部で七島藺(しっとうい)の工芸体験をした後、午後の部で宇佐平野の麦の収穫体験と焼酎工場の見学・試飲を行うというもの。大分市、速見郡などからの参加者は20代から70代までの男女25人となりました。
 三和酒類では、麦の文化を次世代につなぐ取り組みの一環として、宇佐市内の小学生を対象に宇佐市と協同して取り組んでいる「麦の学校」や、工場見学など年間を通して取り組んでいますが、国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会と連携したイベントの開催は今回が初めてです。
参加したおひとり、大分市の坂井久美子さんは、「地元なのに大分の農林水産や三和酒類のことは深く知らなかったので、勉強するいい機会になった」と語ってくれました。


黄金色の大麦畑


■COLUMN:世界農業遺産
 正式名は、Globally Important Agricultural Heritage Systems(GIAHS/ジアス、世界重要農業遺産システム)。国際連合食糧農業機関(FAO、本部:ローマ)が2002年に開始した仕組み。次世代に受け継がれるべき重要な伝統的農業(林業、水産業を含む)や生物多様性、伝統知識、農村文化、農業景観などを全体として認定し、その保全と持続的な活用を図るもの。2018年現在、世界21カ国・52地域、国内11カ所が認定されている。大分県では2013年に国東・宇佐地域の「クヌギ林とため池がつなぐ農林水産循環」が認定された。


■慣れない鎌を使って麦刈りに挑戦

 麦畑を前にして、三和酒類の製造担当者から参加者の方へ、宇佐平野で生産される大麦のことや、宇佐市で栽培される二条大麦・ニシノホシについての概略の説明を行いました。
 ニシノホシは本格麦焼酎「西の星」の原料として使用しています。
 日本酒に山田錦のような酒造好適米があるように、麦焼酎にもそういった酒造好適麦をつくろうと、今から25年前の1993(平成5)年、地産地造※(地元で生産された大麦を使い、地元で酒を造ること)、農業振興を目的として、大分県本格焼酎技術研究会、大分県農業技術センター(現・大分県農林水産研究指導センター)、大分県産業科学技術センターとの産官共同プロジェクトとして、焼酎に適した大麦新品種の選抜が始まりました。この研究が実を結び、生まれたのが大麦の「ニシノホシ」で、これを100%原料として発売したのが本格麦焼酎「西の星」です。2005年からは毎年、その年に収穫されたニシノホシの中でも特に品質の高いものを「iichiko西の星賞」として表彰し、それを原料としてつくった「西の星」を「西の星ビンテージ」として数量限定で発売しています。
 現在、大分県内におけるニシノホシの生産量は県産二条大麦の80%を占めるまでに拡大しています。宇佐市で生産される麦類(二条大麦、裸麦、小麦)の40%が焼酎用のニシノホシとなっています。


鎌を使って麦刈りに挑戦! 


 今回、参加者が麦刈り体験を行ったのは、ニシノホシをつくり始めて22年目という辻勝さんの圃場。完熟すると穂を支える首のところが細くなり、穂の重みでこうべを垂れているのが特徴で、畳2枚(1坪)からおよそ900ml瓶1本分の焼酎がつくられるという話を聞き、慣れない鎌を持つ参加者の手にも力が入っていました。
「11~12月の種まきの際、ムラなくタネを蒔いてきれいに発芽させること、雑草を生やさないよう圃場を管理することが一番難しい」とおっしゃられた辻さん。収穫した大麦は焼酎の原料に、茎は刻んで家畜のエサや肥料にと、余すことなく使われます。

後編に続く。

  • こうじらぼ

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