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蒸留所放浪記(第7話)~三和酒類壱號蔵焼酎道場体験(5)~

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蒸留所放浪記(第7話)~三和酒類壱號蔵焼酎道場体験(5)~

■蒸留作業を行った晩は・・・

 焼酎道場4日目の蒸留作業を行った晩は、お待ちかね、自分達の造った焼酎を飲みながらの懇親会です。スペシャルゲストは、なんと下田社長!当日蒸留したばかりの原酒をみんなで利き酒しながら評価をします。まさに、至福の時!造り手冥利につきます。また、過去の1期生から19期生までの原酒も試飲用として保管されているために、自分達の原酒と比較しながら試飲ができます。当然ながらメンバーの意見は「自分達が造った原酒が一番うまい!」ということで一致しました。私達の造った酒に対する社長の評価も「良く出来ている!」との高評価。社長を交えて、「麹の酒」の造りについて、未来についてじっくりとみんなで語りあいました。



【下田社長に私達の焼酎を評価してもらいました】


■11月22日(金)焼酎道場5日目(冷却ろ過・充填)

 ついに焼酎道場は最終日、5日目を迎えました。午前は冷却ろ過作業です。常圧蒸留直後の原酒は油性成分の影響で大変濁っています。【写真:蒸留直後の原酒】
 原酒中に適量の油性成分が含まれると味わいにつながるのですが、多すぎると不快な油味、重さが感じられるようになります。蒸留したての原酒を冷却するとアルコール中の油性成分が液体から固体へと変化します。この油性成分をフィルターで除去する作業を「冷却ろ過」と呼んでいます。私達のグループはしっかりと油性物質を除去したかったために、-2℃以下まで原酒を十分に冷却してからフィルターろ過を行いました。

 
【蒸留直後の原酒】


 原酒を冷却後フィルターを通すと濁りがなくなり澄んだ原酒となります。【写真:冷却ろ過後の澄んだ原酒】
 原酒をこの状態にまでろ過することで、安心して貯蔵を開始することができます。油性成分が除去されて、適度な味わい、香りの原酒となりました。いよいよ最後の充填の行程へと移ってゆきます。



【冷却ろ過後の澄んだ原酒】

 冷却ろ過作業の合間に、和田会長から「三和酒類の歴史」について学びました。三和酒類の創業時の話、いいちこが誕生した時の話、なぜ三和酒類に木を植えようと考えたかなど、これまで知らなかった話しを多く聞くことができました。約30年前にはほとんど木の生えていなかった山本工場周辺(※現三和酒類本社工場)に、今は多くの緑が茂っています。コツコツと1本1本、木を植えていった結果素晴らしい緑の杜が出来上がったことに感動しました。この緑の杜は、おいしい水を蓄え、酵母や麹や人間にとって快適な環境を提供し、旨い「麹の酒」造りに繋がっています。


【和田会長から三和酒類の歴史を学びました】


~三和酒類壱號蔵焼酎道場体験(6)に続く~

  • 松本 真一郎

    三和酒類株式会社 / 研究所 商品開発課 課長

    1976年生まれ。福岡県北九州市出身。
    高知大学農学部卒業後、2000年に三和酒類株式会社へ入社。
    入社後、製造部、虚空乃蔵、三和研究所、商品開発部での業務に携わる。入社20年目。
    趣味は中学時代から続けている剣道。四段。
    子供は3人。3人とも剣道修行中。親子で剣道に明け暮れる日々を過ごしている。
    ワイン好きで(社)日本ソムリエ協会認定のソムリエの資格を持つ。
    好きなカクテルはTUMUGIベースのドライマティーニ。
    好きな作家は、開高健。
    座右の銘は、開高がこよなく愛した言葉で「悠々として急げ」「漂えど沈まず」