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蒸留所放浪記(第10話)~第14回QSP多良木蒸留所(高橋酒造株式会社)訪問~

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蒸留所放浪記(第10話)~第14回QSP多良木蒸留所(高橋酒造株式会社)訪問~

■11月28日(木)九州学生本格焼酎プログラム2日目

 九州学生本格焼酎プログラム2日目は、熊本市内の崇城大学から、崇城大学の学生さん7名を連れて人吉市へバスで移動し、高橋酒造株式会社の多良木蒸留所を訪問、工場見学を行いました。
 訪問した高橋酒造株式会社多良木蒸留所は、人吉盆地の東側に位置する米焼酎の蒸留所です。多くの球磨焼酎  メーカーは、九州自動車道の人吉インターを降りてすぐの場所に集中しているのですが、多良木蒸留所は、そこからさらに東へと車を走らせることとなります。車中から見える人吉盆地は四方を山に囲まれ、球磨川に沿って素晴らしい田園景色が広がっています。当日は、あいにくの雨だったのですが、曇天と緑の田園のコントラストも美しく感じられました。崇城大学から熊本市内を通過して人吉の多良木蒸留所まで2時間30分かけて到着。

 今回このツアーをアテンドして下さったのが、多良木蒸留所の研究ご担当の那須さんと、製造ご担当の喰田(しょくた)さんです。普段は、この多良木蒸留所では、見学者は受入れないとのことでしたが、QSPのために、特別に学生さんと、私たちスタッフに醸造機器や蒸留機を見学させて下さいました。
 最初に、テイスティングからスタートしました。高橋酒造の「しろ」、「吟しろ」、「金しろ」をはじめとした米焼酎製品と特別にサンプリングした樽原酒3種のテイスティング。参加した学生さんは、どのような違いがあるのか?どれが最も好みか?などの視点で熱心に利き酒をしていました。


 
【吟しろ、金しろ、はじめ米焼酎製品と原酒のテイスティング】


 喰田さんの案内で、原料処理から順に案内をして頂きました。原料処理、製麹、もろみをご案内頂き、2次もろみの櫂入れを行いました。
 米焼酎の2次もろみの初期では、掛けた後の米がタンクの下部に沈んでしまうために、櫂入れ(=櫂棒とよばれる長い棒でもろみを混ぜて撹拌すること)でしっかりと撹拌をしてあげるそうです。今回は、学生さんにその作業を体験してもらいました。はじめての体験でしたが、なかなか皆さん、さまになっていました。

 
【2次もろみの櫂入れ体験】

 そして、蒸留機。高橋酒造の蒸留は減圧蒸留がメインとのことで、そのための仕様となっていました。そして、日本の麹の酒の蒸留機であることを強く感じることができるのが、スワンネックの中ほどに飾られている「しめ縄」です。この球磨の自然と球磨の神様に感謝していらっしゃることがよく分かりました。この蒸留所内のいたるところに神棚があり、神様が祀られていました。とても神秘的で、神聖な雰囲気の蒸留所でした。那須さん、喰田さん、ご案内ありがとうございました!本当に勉強になりました!

 
【蒸留機に巻かれたしめ縄が印象的】

~第14回QSP~(終)

  • 松本 真一郎

    三和酒類株式会社 / 商品開発部 商品開発課 チーフ

    1976年生まれ。福岡県北九州市出身。
    高知大学農学部卒業後、2000年に三和酒類株式会社へ入社。
    入社後、製造部、虚空乃蔵、三和研究所、商品開発部での業務に携わる。入社20年目。
    趣味は中学時代から続けている剣道。四段。
    子供は3人。3人とも剣道修行中。親子で剣道に明け暮れる日々を過ごしている。
    ワイン好きで(社)日本ソムリエ協会認定のソムリエの資格を持つ。
    好きなカクテルはTUMUGIベースのドライマティーニ。
    好きな作家は、開高健。
    座右の銘は、開高がこよなく愛した言葉で「悠々として急げ」「漂えど沈まず」